他人を舐める犬のしつけと矯正法
「犬は好きだけど、舐められるのは嫌い!」という方は多いです。
犬を飼っていない方はもちろんですが、飼っている方でもそこそこな数、見えることでしょう。
そうした方を犬がペロペロ舐めるくせがついていると、トラブルに繋がってしまうこともあります。
ここではそのように人を舐める犬のしつけや矯正法について書きます。
叱らず「舐めることが出来ない工夫」をする
結論を先に書くと、こうなります。理由は、
■叱らない
犬にとっては愛情表現であるため。
これを叱られたら、素直に愛情表現を出来なくなってしまう。
■舐めることが出来ないようにする
物理的に舐められない状況を作れば、舐めたくても舐めようがないため。
犬と接する時、常に顔を高い位置でキープしておく、基本的にサークルの中で飼っておき、興奮している時はサークル越しにしか接しない、など。
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以下、それぞれ更に詳しく説明していきます。
犬が人間を舐める理由
犬が人間を舐める理由はいくつかあります。
■愛情表現
まず一番大きなものはこれです。
自分の方が上とか下とか関係なく、単純にその人が好きだからその好意を示すために舐めようとします。
■服従の意思表示
犬にとって、相手を舐めるというのは服従の意思表示です。
愛情によって舐める場合もあれば、互いの地位を示すために舐める場合もあります。なので、人間の世界でいう「舐めている(相手を甘く見ている)」とは逆ですので、「ちゃんと飼い主と自分の立場を理解しているな」と認めてあげましょう。
■オオカミ時代からの習性
オオカミは肉食ですが、子供のうちはまだ肉を自分で消化することが出来ません。
なので、親が食べて半分消化してくれたものを吐き出してもらい、それを離乳食として食べるという形で食事をします。
このため子供のオオカミは、親のオオカミに「吐き出してもらう」必要があります。
そして、オオカミには口元を舐められると食べているものを自然に吐き出す習性があります。
なので、親に食べ物を吐き出してもらうために、子供のオオカミは自然と親の顔を舐めるようになったのです。
つまり、オオカミ(犬)にとって「顔を舐める」という行動は、
・親という限られた相手のみに行う行為
・「あなたに服従しています」という意思表示(「あなたがいないと生きていけません」という意思表示)
であったわけです。そのオオカミ時代からの習性が引き継がれて「大切な人を舐める」「服従の意思表示で舐める」という犬の習性が出来上がったわけです。
犬に舐められて困る時の対処法
■基本的にサークルの中で飼う
日頃からサークルの中で飼っていれば、犬が興奮している(喜んでいる)時には、こちらから近づかないということが可能です。
そして、テンションの低い時(おそらく舐めてこないだろう時)だけ近づけるようになります。
舐めるという行為が犬の愛情表現である以上、辞めさせるのは難しいですが、こうすれば「舐められない状況」は出来上がるわけです。
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■常に高い位置から接する
犬が舐めようとするのは基本的に人間の肌です。服を舐めることはほとんどありません。
なので、舐められる場所は「手」か「顔」が多いわけですが、常に高い位置から接していれば、手も顔も舐められることはほとんどないでしょう。
犬との距離が開いてしまうので、コミュニケーションのことを考えると出来るだけ近づいてあげた方がいいのですが、舐められないことを最重視するのであれば、これも有効な対策と言えるでしょう。
■舐められた時、出来るだけ無反応に
犬にとって叱られるのと同じくらい嫌なのが「無視」です。
自分が何かをした時に飼い主さんが反応しなければ(無視していれば)、自然とそれをやらなくなるものです。
そして「叱る」のと違って飼い主さんの側から攻撃のようなことをするわけではないので、信頼関係が傷つくということもありません。
なので、舐められた時は出来るだけ無反応を貫くようにしましょう。
と言っても顔を舐められた場合、無反応でいるのは難しいかも知れませんが、とりあえず声を出さないくらいは出来るでしょう。
そして、出来るだけつまらなそうにしていれば、徐々に犬も察して舐めなくなることが多いようです。
実際に飼い主さんの声をチェックしてみても「舐めるのを喜ばない飼い主や人に対しては、自然と舐めなくなる」というものが多く聞かれます。
犬も相手の気持ちを察して舐めるかどうかの判断を、徐々に出来るようになるようです。
犬が人を舐めることの危険性
最後におまけとして、犬が人を舐めることの危険性も書いておきます。
犬は特に散歩中に不衛生なものを口に加えていることが多いです。
誰かが鼻をかんだティッシュの残骸や、動物の死体などです。
このようなものをその日ではなくても、いつか口にした犬であれば、ウィルスなどを持っている可能性もあります。
なので、出来るだけ犬が人の口近くを舐めることは防いだ方がいいのです。
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