愛犬生活

噛み癖が治らない犬の安楽死 ~日本と欧米の違い~

噛み癖がどうしても治らない犬の場合、最終手段として安楽死という選択肢も残されています。

もちろん、このような手段を取りたい飼い主さんはいないでしょうが、場合によってはこれを考えないといけないケースもあります。

欧米では日本に比べて犬の安楽死が一般的になっています。ここではそうした欧米のケースも交えて紹介します。

欧米は病死よりも安楽死が多い

欧米の犬は病死よりも安楽死の方が多いと言われています。

犬のトレーニングに関しては欧米が先進国なのですが、その先進国で安楽死がこれだけ多いわけです。

「しつけても改善の見込みなし」としつけの先進国で判断されるというのは、かなり厳しい基準だと思います。

そして、それだけ多い安楽死の中でも一番多い理由が「噛み癖」です。

人に危害を加える恐れがある、犬に危害を加える恐れがある、という理由で処分されるわけです。

日本でも噛み癖によって保健所で処分されることは多いですが、これについては欧米でも同じように処分の理由のトップとなっているわけです。

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死生観、動物への価値観の違いが背景に

日本で欧米ほど犬の安楽死が行われない理由として、死生観や動物に対する価値観の違いというものがあります。

例えば日本では古来よりシャーマニズムが信仰されてきました。

これはいわゆる八百万の神であり、全てのものに神が宿っているという考えです。

雑草にも神が宿っていると考えるわけですから、まして犬のように人間に身近な生き物であれば、人間と同様にその生命を考えるのも自然だったわけです。

一方欧米では昔から自然は征服の対象でした。

庭造りを比較してもわかりますが、日本庭園は自然の造形をそのまま活かしているのに対して、欧米の庭造りは、完全なる左右対称で、どれだけ人工的であるかという美を競います。こうした所にも自然に対する支配の意識が現れています。

このように自然を支配することに価値をおいている欧米なので、犬が人間に逆らうようであれば、安楽死させるということが普通なのです。

犬の性格などに人間が翻弄されてたまるか、という発想です。

そもそも欧米が犬のトレーニングの先進国となったのも、犬に対する愛情というよりは「いかに犬を支配するか」という観点からスタートしたのではないかと指摘されています。

でなければ、しつけ大国でありながら、病死よりも安楽死が多いということは説明できないでしょう。

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ちなみに、欧米で犬を安楽死させるケースには、犬が老年になった時のものも含みます。

必ずしも噛み付きだけではありません。

日本では、苦しみながら死ぬにしても安らかに死ぬにしても、自然に任せるという死生観が昔から一般的でした。

しかし欧米の場合は、昨今の強烈なアンチエイジングに代表されるように「いかに老化に逆らうか」「いかに死を遠ざけるか」というところに価値観を置く死生観なので、犬が老化したら安楽死させるという発想も、自然に出てくるのだと思います。

安楽死をする犬のサイズの基準

同じように噛み癖がある犬でも、そのサイズによって安楽死をするかどうかがわかれます。

例えばアメリカの場合はラブラドールレトリバー程度のサイズが平均的で、日本よりもかなり大きくなっています。

このような大きな犬が噛み癖を持っていたら危険なので、日本よりも安楽死の率が高くなることはうなずけます。

同じように噛み癖を持っていても、日本で流行しているチワワであれば、特に問題ない場合が多いでしょう。

なので、上のように死生観などを理由に安楽死の数の違いを説明しましたが、理由はそれが全てではないということです。

そもそも飼っている犬の平均サイズが欧米(特にアメリカ)の方が日本より大きいということも、見逃せない理由の一つと言えるでしょう。

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