噛むふりをする犬の気持ちとしつけ
「犬が噛み付く」というのはよくあるトラブルですが、たまに「犬が噛むふりをする」というものもあります。
このような犬の気持ちやしつけについて書きます。
犬が噛むふりをする理由 ~かまってほしい~
一つ目の理由は「かまってほしい」というものです。突然ですが、マザー・テレサの言葉で「愛の反対は無視です」という有名な言葉をご存知の方も多いでしょう。
これは人間関係だけではなく、人間と動物の関係でも当てはまることです。
犬にとっても愛の反対は無視なのです。なので、犬が人間にかまってもらえないと、何か叱られるようなトラブルを起こしてでも、かまってもらいたいと思うのです。自分の方を意識してもらいたいと思うのです。
普通の犬であれば、かなりの大声で吠えたり、家具などをガリガリに噛み砕いたり、人や他の犬に対して実際に噛み付いたりしてしまうものです。
それに対して「噛むふり」をするというのは、相当行儀のいい、自分の感情をコントロール出来るお利口な犬であると言えます。(人間側が見習いたいくらいです)
人間よりも理性が少ないはずの犬が、かまってほしいという感情をこれだけうまくコントロールして伝えているわけですから、これはもう、出来るだけかまってあげてください、というのが一番にして唯一のアドバイスと言えます。
これだけ自分の感情をコントロール出来る犬であれば、しつけに問題があるということもありません。
むしろ、しつけなどの真面目な関係が優先しすぎて、子供と犬のように戯れて遊ぶという時間が不足しているのではないかと思います。
なので、そのように犬と遊ぶ時間を、出来るだけとってあげていただきたいものです。
犬が噛むふりをする理由 ~ストレスが溜まっている~
上の理由とは逆に、犬がストレスを溜めているため、攻撃的になっているという理由も考えられます。
「それだったら噛むふりじゃなくて噛むんじゃないの?」と思われるかも知れません。確かに普通はそうです。しかし、自分の攻撃力、体力に自信のない犬の場合は、実際に噛むだけの勇気がなく、噛むふりをして威嚇するだけで終わる、ということもあるのです。
具体的には、犬が小型犬であったり、飼い主が日頃から犬に対して威圧的な態度をとっているという場合です。
この場合、怒鳴られたり叩かれたりすることを恐れて、噛み付きたくても犬は噛み付くことが出来ないのです。
人間側の被害がないという点では、実際に噛まれるよりも大したことがないように見えますが、犬のストレスは実際に噛み付く時以上に大きいと言えます。
そのため、犬の心身の調子を崩してしまうことにもつながりやすいですし、いつかこのストレスが爆発した時、大変なことになってしまうとも言えます。
なので「人間が噛まれてないからいいや」などとは絶対に考えず、犬の立場になってストレスを減らしてあげましょう。
お互いにストレスなく噛まないようにしつけたいものです。以下の方法なら、飼い主がストレスを感じることなく、しつけができるそうです。
散歩に行っていない、エサを十分にあげていない、自由に動けるスペースを与えていない…など思い当たることが何かしらあるはずです。
何もないという場合は、何か病気にかかっていて、それでストレスを溜めているということもあり得ます。なので、一度動物病院に行って検査をしてもらうのがいいでしょう。
参考記事:犬が噛む理由とストレスとの関係とは?
甘咬みのしつけは注意が必要
上では「噛むふり」について書きましたが、甘咬みはまた少し違います。
甘咬みはふりではなく、一応完全に噛んでいます。ただ、その力が極めて弱いというものです。
参考記事:犬が甘噛みをする意味とは?
仔犬の時の甘咬みはかわいいのでそのまま許してしまいがちですが、大人になっても同じ感覚で甘咬みをすると、大変なことになってしまいます。
なので、甘咬みについてはまた別のしつけが必要になります。
一定以上の力で甘咬みをしようとしたら軽く静止するなどして、甘咬みの力加減を教えるようにしましょう。また、噛みたいという欲求をおもちゃなど別のものに逸らすというのも有効です。ぜひ試してみてください。