犬がわざとトイレを失敗する場合の原因としつけ法
犬がわざとトイレを失敗する原因は大別して2通りです。
・かまってほしい
・どうしてもトイレ以外の場所で排泄したい
というものです。それぞれしつけ方を説明します。
かまって欲しくて排泄を失敗するケース
犬は基本的に人間にかまってほしい動物であり、かまってもらうためには排泄の失敗でも吠えるという行為でも、あるいは噛みつきでもあらゆる行動をします。
この中で、特に飼い主さんの反応が排泄の時によかった場合、犬はそれを学習してまたかまってもらおうと思い、排泄をわざと失敗するようになります。
この場合の対策としては「トイレの失敗を無視する」というのが最も有効です。
無視するといっても、もちろん排泄物をそのまま放置するというわけではありません(それはあまりにも不潔ですからね)。
排泄物はしっかり片付けるのですが、その時に犬の方を見たり声をかけたりするなどを一切しないということです。
淡々と、そして黙々と、犬を無視しながら片付けをするということです。
かまってもらいたい犬にとっては、無視されるというのは叱られるよりもずっと嫌なことです。
嫌といっても叱ったり攻撃したりするわけではないので犬にとってダメージはありませんが、目的はまったく果たせないということになります。
なので、犬にとってトイレを失敗するメリットがなくなり、自然としなくなります。
ただ、犬のかまってほしいという気持ちはこの段階ではまだ消えていません。
それを解消しない限り今度は噛みつきや無駄吠えによってかまってもらおうとする可能性があるので、そうしたことにならないように日頃からしっかりかまってあげたり、一緒に遊んであげたりするようにしましょう。
かまってほしいという気持ちが原因の問題行動はこれで基本的に解決するものです。
トイレ以外の場所で排泄したいと思っている
犬にとってトイレというのはマーキングの重要な手段であり、「どこでするか」というのが人間が考える以上に重大な問題なのです。
なので、トイレシートではしたくない、部屋の中のお気に入りの場所でしたい、という犬はたくさんいます。
こうした犬はわざとトイレを失敗して部屋の外ですることが多いです(本人にとっては失敗ではなく成功なのですが)。
この対策としては「トイレで排泄するといいことがある」というのを教えるのが一番有効です。
具体的にはおやつをあげるというのが一番手っ取り早いでしょう。
わざと失敗するということはもうトイレトレーニングは済んでいるということですから、トイレ自体はわかるはずです。
なので、トイレでおしっこなどをした時にすぐに褒めて、おやつをあげるようにします。これにより「トイレで排泄するとメリットがある」ということを教えます。
そのメリットが「お気に入りの場所でトイレをする」ということを上回ったなら、犬はトイレでおしっこをするようになります。
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トイレで排泄したら外に出してあげる、というのは逆効果
トイレトレーニングでよくある失敗として「トイレで排泄したら外に出してあげる」というルールがあります。
このルールがなぜ失敗するのかというと、外でトイレをしたい犬の場合、トイレではわざと少ししかおしっこをしないというケースが多いのです。
そして、出してもらった後に「今からが本番」とばかりに、部屋の中で大量におしっこをするのです。
この問題点は、犬の中で「トイレでおしっこ=ここから出してもらえる」という学習がされているという点にあります。
外でトイレをしたい犬にとっては、一番重要なのはそのサークルから出してもらうことですから、そのためにトイレでおしっこをしても、全部そこで出すはずがないのです。
なので、犬にはこう学習させる必要があります。
「トイレでおしっこ=おやつがもらえる」ということです。
上に書いたものですが、こうすると「トイレでおしっこしても外には出してもらえない=外でのトイレはどの道できない」ということを学習して、諦めてトイレで全部のおしっこを出すようになります。
もちろん、これだけでは犬の願望を一つ潰しただけ担ってしまうので、犬のストレスが溜まってしまいます。なので、それを補うためにおやつというご褒美を用意するわけです。
こうして、トイレでおしっこをすることにメリットを用意すれば、徐々に改善されていくというわけです。
興奮してトイレが上手に出来ない犬のしつけ
犬が興奮してトイレのしつけができないという場合、原因は主に以下のようなものがあります。
・その家に来て間もないので、興奮している
・家には慣れているが、トイレに慣れていない
ここではそれぞれのケースについて、しつけ方を説明していきます。
家に来て間もないので興奮している
たとえばペットショップから引き取ってすぐの時期や、拾ってきてすぐの時期など、犬は当然その家に慣れていません。
そもそもそれまでが室外犬だった犬の場合は、人間と同じ家の中で飼育されるということにそもそも慣れていません。
なので、トイレトレーニングに限らずこうした犬は常に興奮中であり、あらゆるトレーニングが難しいと言えます。
この場合一番の対策は「焦らない」ということです。
飼い主さんの焦りは犬にも確実に伝わるので、それがますます犬を落ち着かないようにし、その家になれるまでの時間を長くしてしまいます。
なので、まずは焦らないようにしましょう。
■他の犬と、トイレを覚える早さを比較しない
こうした飼い主さんの焦りを誘発する原因で一番多いものは「他の犬と比較してしまう」というものです。たとえば犬のしつけの本を買って、そこに「トイレトレーニングは大体2日から3日で完了します」ということが書かれていると「その期間でマスターさせなきゃ」と焦ってしまいます。
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しかし、これは人間と同じで犬にも修得の早さには個体差があるのです。
たとえば少しジャンルが違う例え話ですが、アインシュタインは5歳程度までほとんど言葉をしゃべれなかったといいます。
このため、両親や医者は彼のことを知的障害だと思っていたというくらいです。
それが後の大天才となったわけですが、このように人間でも成長には大きな個人差があるのです。
同様に犬でもトイレをマスターする速度にはある程度の個体差があるため、他の犬と比較して焦る必要はありません。
結論から言うと、とにかくゆったりとした気持ちを持って、長い目で見てその家に慣れてもらうということです。
そして、トイレシートをできるだけ広く敷き詰めて、それをサークルで囲って、サークルの中であればどこで排泄しても大丈夫というようにしておきましょう。
トイレシートにまだ慣れていない
家には慣れている(あるいは初日でも警戒心がない)という場合でも、トイレやトイレシートというものに抵抗を示す、という場合があります。
この場合は、トイレは心地よい場所であるということを教える必要があります。
たとえば何度かトイレに連れて行き、そこでおやつやお気に入りのおもちゃをあげるなどするといいでしょう。
そうすると、トイレやトイレシートに対する犬の抵抗感が薄れてきます。
ただ、これだけだとトイレシート=排泄する場所ではなく、おやつをもらえる場所として認識してしまうので、まずは慣れてもらうための最初のステップであると考えます。
こうしてトイレシートに対して抵抗を示すことがなくなったら、そこで排泄することを徐々に教えていきます。
最初のうちはサークルの全面にトイレシートを敷き詰めて、どこで排泄しても大丈夫なようにしておきましょう。
そして、排泄した瞬間を見逃さずに褒めてあげるようにしましょう。そうすると犬は徐々に「ここで排泄すると褒めてもらえるんだ」ということを学習します。
あとはサークルの面積を徐々に小さくしていって、わざわざ広い面積にトイレシートを敷き詰めなくてもいいようにします。
この頃にはもうトイレシートの感触を完全に覚えているはずなので、普段遊ぶサークルの部分と、トイレを独立させても大丈夫になります(トイレに入るトレーニングも並行して行う必要がありますが)。
室内にトイレシートと間違いやすいじゅうたんなどを敷かない
犬は足裏の感触でその場所を判断しています。そのため、トイレシートと似たような感触のじゅうたんやマットなどが家の中にあると、そこで間違えて排泄してしまう恐れがあります。
なので、このようにトイレと似た感触を持つマットなどの類は家の中には置かないようにします。
また、トイレは飼い主さんの目につきやすい場所においておくというのが大事です。
というのは、それによって排泄をした瞬間すぐに褒めてあげることができるからです。
こうしてタイミングを逃さずに褒めることによって「ここがトイレなんだ」「ここで排泄すると褒めてもらえるんだ」ということを犬が学習してくれるので、これは非常に重要なことです。
ぜひ注意してください。
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