犬が甘噛みをする意味とは?
犬が甘咬みをする意味は、大別して3つあります。
1.ストレス解消
2.歯がかゆいため(仔犬の歯の生え変わりの時期)
3.遊びの延長
それぞれ詳しく説明していきます。
ストレス解消のため
犬にとって何かを噛むというのは、一番基本の行動です。
例えば人間でいうなら「見る」というのがそれに当たります。
人間もストレスを感じた時に「海が見たい」とか「映画が見たい」とか「漫画を読みたい」など、何か視覚から情報を得ようとすると思います。
もちろん、音楽を聴くなど聴覚やその他の感覚から刺激を得ようとする時もあるでしょうが、犬の場合は、そうした選択肢が人間ほど多くありません。
基本的には、何かを噛むというのが一番のストレス解消になるのです。
このため、ストレスを大なり小なり感じている犬は、落ちている物を適当にくわえて噛んだり、それをビリビリに破ったりして遊びます。
物が何もなくて人間や他の犬が相手の時には、それが甘咬みとなります。
特に室内犬で散歩が少ないとやたら甘咬みをしてくるという場合は、散歩に行けないストレス解消のために甘咬みをしていると考えていいでしょう。
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歯が痒いため(仔犬の場合)
人間の子供も歯の生え変わる時期がありますが、犬も同じようにあります。
犬の場合は生後2ヶ月から6ヶ月の期間に、乳歯から永久歯に生え変わります。
この期間は歯茎の奥から歯が成長していてむず痒いため、思わず何かを噛みたくなってしまうのです。そのため、何も悪気はなくても、あらゆるものを手当たり次第に噛んでいます。
この歯の生え変わりによるむず痒さというのは、人間のしつけなどで抑えられるものではありません。
ただ、それで甘咬みをする相手が人間となり、それを放置してしまっていると、大人になってからも同じように甘咬みを続けてしまうことになります。それは防がなくてはいけません。
それを防ぐためには、甘咬みのためのおもちゃを与えるというのが一番です。
ペットショップで犬が噛む専用のおもちゃを買ってもいいですし、人間が普段使っているタオルなどで、要らなくなったものをあげてもかまいません。
犬は飼い主や家族の使っていたこういうタオルや衣類などをむしろ好む傾向があるので、お金をかけずにおもちゃを与えたい場合は、これらを利用するといいでしょう。
(犬が飼い主の衣類やタオルを好むのは、飼い主の香りがついていたり、それをもらえることで自分も家族の仲間入りをしたという実感が強まるからだと思われます)
参考記事:犬が甘噛みをする時期ってあるの?
遊びの延長のため
犬に限らず他の動物でもよく見られる現象ですが、犬の子供はよく噛みつきごっこをします。
仔犬同士でもしますし、仔犬が親の犬に対してすることもよくあります。仔犬同士でこれをやっていると、自分が噛まれた時に痛いということを身をもって学習するので、その後人間や他の犬に対して噛み付くということがありません。(万が一甘咬みをしたとしても、問題のない噛み方です)
しかし、この遊びの期間が十分になかった仔犬の場合は、甘咬みでも痛いことがあるということがわからず、大人になって、強く噛んでしまうことがあります。
そのため、こうした期間がなかった仔犬は、甘咬みをやめる訓練を人間の側でしてあげる必要があります。
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甘咬みをやめさせるしつけとは?
甘咬みをやめさせるのに効果的なのは、噛まれた時に叫ぶことです。と言っても、人間の声ではなく、犬が痛い時に出す声を真似して「キャン!」と叫ぶことです。声を出すだけではなく、動作や表情などでも、とても痛かったということをアピールするようにしましょう。
これを見ると、犬はびっくりして「あ、これをすると飼い主さんは痛いんだ」ということを学びます。
犬は飼い主が嫌がることはしたくありません。
そのため、飼い主がこうして痛がることは、自分にとっても辛いことなのです。なので「もうしないでおこう」と思います。
甘咬みをしたら叱るという人がよくいますが、叱ることは効果がないばかりか、犬との信頼関係を損ねてしまい逆効果になることも多々あります。
なので、叱るよりも上のような方法で、犬を攻撃することなく、悟らせるようにしましょう。
ただ、犬が噛んできたことについては、上に書いたように「ストレス解消」や「遊びの延長」という目的があるわけです。
それらを満たしてあげないと、犬の側には欲求不満が溜まってしまいます。
なので、ストレス解消になるようなおもちゃを噛ませてあげたり、もっと多く散歩をして遊んであげたり、ということも同時に心がけましょう。
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