犬が興奮して噛む場合のしつけ
犬が興奮して噛み付く場合、悪気がある場合とそうでない場合があります。ここではそれぞれのケースについて、どのようにしつけるべきかを書いていきます。
悪気がない場合
■遊んでいるうちにテンションが上がってしまった
ボール遊びなどの運動量の多い遊び、特に反射神経を問われるような遊びを長時間やっていると、犬はだんだんテンションが上がってきてその興奮でつい噛みついてしまうということがあります。
これは人間でもよくあることで、たとえばサッカー選手はグラウンドで激しいプレイを連続していてテンションが上がると、普段だったらしないような激しい接触プレイもついしてしまいます。ロックミュージシャンなども同様で、ライブでテンションが最高潮になると高い所から飛び降りたり、観客席にダイブするなどの行為を、何の計算もなくしてしまうことが多いです(もちろん、これはこの世界ではいいことなのですが)。
このように、犬だけでなく人間でも遊んでいてテンションが上がるうちに、つい攻撃的な行動に出てしまうということはよくあるものです。
スポンサーリンク
まして人間よりも本能で生きている割合が大きい犬ですから、遊んでいるうちにテンションが上がってしまい、ついつい噛んでしまうということは少なからずあることなのです。
この場合どうすればいいかというと、「遊びの中に小休止を入れる」ということが重要です。たとえば「おすわり」などのコマンドを出すことですが、これによって犬は一度テンションを落ち着けることができ、我に返ることが出来ます。こうして適度に我に返る時間を確保することで、遊んでいる最中の噛みつきを無くすことが出来るのです。
■過去に人間にいじめられたトラウマがある
これは捨て犬だったり保健所にいたりした犬をもらってきた場合に、よくあることです。過去に人間にいじめられたトラウマがある犬は、その恐怖がフラッシュバックして、過去のそれに似たシチュエーションになるとつい攻撃的になり、悪気はなくても噛んでしまうということがよくあります。
これは例外的なケースかも知れませんが、悪気がないものとしては代表的なものの一つと言えます。ただ、こうした犬のトラウマは人間のそれと比較すると、割合早く回復すると言われています。というのは、人間が過去や未来にとらわれるのと違って、動物は常に今この瞬間のことしか考えていないからです。過去のトラウマがあまりにも大きいので、そうした動物でもつい思い出してしまうのですが、それでも動物は本来過去のことなど忘れる生き物なので、犬のトラウマも人間よりは消えやすいのです。
これについては、そうして自然にトラウマが消える時を待つしかありません。日頃からやさしく接することはもちろんですし、どのようなシチュエーションで犬が自制心を失ったかということを記録しておくといいでしょう。そうしたシチュエーションを作り出さないようにすることで、犬もトラウマを忘れやすくなります。
スポンサーリンク
悪気がある場合
■自分が格上だと思っている
自分の方が格上だと思っている犬の場合、例えば頭をなでようとすると怒って噛み付くということがあります。犬は自分より格下だと思っている相手には絶対に頭を触らせないからです。そのため、普通に遊ぼうとしている時はくっついてくるのに、頭を撫でようとすると噛み付いてくるという場合は、「自分の方が上」と思っている可能性があります。
ただ、これはあくまで「噛み付こうとした」場合であり、元々犬は頭をなでられるのは嫌がります。理由は「自分の目から見えない」からです。死角から突然誰かの手が伸びてきたら、犬としてはやはり気になるわけです。なので、仮に飼い主の方が格上だと認めていたとしても、頭をなでられることは犬は基本的に喜ばない、ということを知っておいた方がいいでしょう。
■社会性が欠如している
人間と同様に、犬にも社会性があります。他の犬や人間が一緒の空間にいることに平気であるかどうか、という能力です。これがないことを悪気というかどうかは微妙なところですが、上に書いた悪気がない場合と違って、不可抗力でそうなったのではなく、その犬の好き嫌いによってそうしたという点では、やはり悪気があると言うべきかも知れません。
これについては犬を社会化させるトレーニングをプロに頼むのが一番です。
他の犬や人を怖がる程度であれば個人でもしつけは出来ますが、噛み付くレベルとなるとプロに任せた方が安心なので、そうした指導を受けるようにしましょう。
スポンサーリンク