愛犬生活

犬が興奮して発情し始める場合の対処法

おすの犬が身構える  11-09-02

犬が興奮して困るというのは、基本的に雄犬のケースでしょう。ここでは雄犬が興奮(発情)して困る場合の対処法やしつけについて書きます。

犬が興奮する時の行動の意味

オス犬が興奮した時に取る行動は、誰が見てもはっきりとわかる「腰振り」の運動です。これは「マウンティング」といいます。

人間から見ると犬のマウンティングはまるでマスターベーションをしているように見えますが、犬のマウンティングにはそれ以外の意味も多く含まれています。単純に自己主張をしたかったり、ただのストレス解消だったり、相手より自分の地位が上であることを示す、という目的でする場合もあります。特に雄犬同士で行うマウンティングの場合はこれです。(このため、マウンティングされた犬は当然嫌がります。自分が下だと言われたわけですから)

このように色々な意味があるので、人間に対してマウンティングを行っている場合、人間に性的に興奮して行っているのではない、ということをまず理解しましょう。(これだけでも大分犬の行動に対する恐怖心が減ると思います)

ただ、人間に対してマウンティングをしているうちに、その物理的な刺激によって性的な興奮につながるというケースもあります。放置しておくとそのような状態になってしまうため、マウンティングに対しては毅然と対処するようにしましょう。

マウンティングを辞めさせるしつけ

マウンティングを辞めさせるしつけのポイントは、

・散歩や一緒に遊んであげる時間を増やす
 (これによって、有り余ったエネルギーを解放する)
・それでもする時は叱るが、やめたらすぐに褒める
・去勢手術をする

というものです。特に劇的に効果があるのは去勢手術です。犬の子孫を残すつもりがなければ、現代の生活で犬が性欲を持ったままにしておくというのは、犬にとっても飼い主さんにとっても辛いことが多いですから、マウンティングをしようがしまいが、出来るだけ早く去勢手術をしてあげた方がいいでしょう。

また、散歩や一緒に遊んであげる時間を増やすというのも非常に重要です。現代の犬のほとんどは運動不足で、特に室内犬は本来染まっているはずの自然と隔離されているという状態なので、これもやはりフラストレーションが溜まる原因となっています。

こうしたフラストレーションを出来るだけ解消してあげれば、マウンティングをする回数はだいぶ減ります。その他の吠えるのをやめるしつけなどでも、散歩を増やすなどによるストレス解消は非常に効果的なので、ぜひ心がけていただけたらと思います。

そして、どうしても叱る場合には、マウンティングをやめたあと素早く褒めるというフォローをする必要があります。というのは、マウンティング自体は別に悪いことではなく、これを叱るのは犬にとっては理解の出来ない行動なのです。人間の世界では困った行動であっても、犬の世界では別に悪い行動ではないのです。こうした価値観の違いがあるということは常に認識しておきましょう。

なので、「マウンティングが悪いわけじゃないけど、止めたらこうやって褒めてあげるよ」ということを教えれば、犬も「ああ、こっちの方が楽しいからマウンティングは止めよう」と思うわけです。このように「楽しさ」によって犬を導くことを「ファントレーニング」といいます。

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雌犬の発情期について

雄犬の発情期に主に見られる行動はマウンティングですが、雌犬の場合は違います。雌犬の場合は、例えば「偽妊娠」という状態に陥ることがあります。これは妊娠してもいないのに、まるで仔犬がいるかのように振る舞う、というものです。

たとえばスリッパなどを仔犬と見立てて守ろうとしたり、家の中のどこかを自分の巣と見立てて守ろうとしたりします。このため、そのスリッパや場所などに人間が近づくと吠えたり噛み付いたりしてきます。(飼い主であっても同じです)

参考記事:雌犬の偽妊娠と、その対策(噛み付き防止など)

これは発情期が終わるとやむので、発情期が終わるとともに去勢手術をするのが一番の対策です。本来は母親になるための準備として必要な本能でもあるのですが、人間社会で生きていく上で、基本的に犬は去勢手術をしておいた方がいいので、出来るだけ早めにそうするようにしましょう。

去勢手術をすると太りやすくなるなどのデメリットもありますが、それは散歩量を増やしてあげればいいことですし、世の中のほとんどの飼い犬が去勢手術をしていることを考えれば、そんなに犬の体に負担をかけるものでもないと言えます(どの犬も長生きしているので)。

雌犬であっても雄犬であっても、最終的に発情に対する対応策は、去勢手術が一番ということになるでしょう。

犬の噛み付き防止に去勢、避妊手術は効果的

手術後の犬 02-08-01

犬の去勢手術や避妊手術が、犬の攻撃性を落とすことはよく知られていますが、これはもちろん噛み付きを抑えるのにも有効です。

ここでは、噛み付きとこれらの手術の関係やメリット、デメリットについて見て行きましょう。

オスの場合の去勢手術の効果

まず、オスの場合は去勢手術をすることになります。

これは噛み付きを抑えるのに非常に効果的です。

男性ホルモンの影響で出るアドレナリンなどの分泌が抑えられることで、犬の攻撃性がかなりのレベルまで落ちるからです。

そして、噛み付きを抑えるのに効果的なだけではなく、犬の荒っぽさが原因で起こるすべての悩みに対して有効です。

例えばやたらリードを引っ張ったり、家の物に噛み付きまくったり、地面を掘りまくったりというような衝動が減るようになります。

また、常に冷静な状態であるため、あらゆるしつけをしやすくなります

縄張り意識など、他の犬との間でトラブルになる要素も減るため、外部との関わりも持ちやすくなるということが出来ます。

何より噛み付きを防ぐよりもありがたいのは、メスを求めて夜鳴きをしたりすることがなくなるということです。

近所迷惑としてかなりの飼い主さんの悩みの種となっていうこうした行動がなくなることは、かなり大きいと言えるでしょう。

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メスの避妊手術の効果

メスの場合は避妊手術をします。この効果はまず、発情期の攻撃性の高まりや気分のむらがなくなります。

つまり、いつしつけをしようとしても大人しく冷静にいうことを聞いてくれます。勿論噛み付きなどの攻撃行動もなくなります。

また、偽妊娠状態がなくなります。

偽妊娠状態というのは、子供を産んでいない犬が、何かのおもちゃを子供と見立ててそれを守ろうとしたり、家の中の特定の場所を自分の巣と見立てて、それを守ろうとするものです。

ある意味お母さんごっこのようなものですが、これも避妊手術をすることでなくなります。

偽妊娠状態の時は、その巣と見立てた場所に侵入した人に噛み付くことが多いですし、子供と見立てたアイテムを奪った人に対しても噛み付くことが多いです。

なので、噛み付きの大きな原因と言えます。

その偽妊娠状態がなくなるわけですから、噛み付きをなくすための対策として非常に効果的です。

さらに、噛み付き以外のことに関するメリットとして、望まない妊娠を防ぐことが出来るということ、乳がん、卵巣腫瘍、ヘルニアなどあらゆる症状の予防につながるということが挙げられます。

手術のデメリット

去勢手術、避妊手術ともにデメリットもあります。

一番のデメリットはまず肥満になりがちということです。

アドレナリンが出なくなるということは、スポーツを活発にする気もなくなるということです。

また、同じ量のスポーツをしていたとしてもそもそもの基礎代謝量(何もしなくても消費するカロリー量)が低下するため、太りやすくなります。

せっかく噛み付きを防ぐことが出来ても、それによって犬が肥満という、自然界ではあり得ない状態になってしまうことはとてもかわいそうなことです。

なので、これは飼い主の側で配慮して防いであげる必要があります。

対策としては、出来るだけ多めに散歩する、よく遊んであげる、低カロリーの食事にするく、等が挙げられます。

基本的に犬が満足するまで散歩に付き合っていたら、よほどのことがない限り犬は太りません。

犬と人間では一日の運動量が全然違うからです。

人間に散歩をする時間がないため、犬も少ない運動時間で我慢していますが、彼らが満足するまで散歩したら相当な運動量になります。

なので、たとえ手術をしたとしても彼らが満足するレベルまで散歩をする日を定期的にとっていれば、肥満になることは防げると言っていいでしょう。

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