犬と飼い主との主従関係が逆転した場合のしつけは?
人間と犬の主従関係が逆転した場合のしつけは、具体的な場面によって異なります。
ここではその場面別に、しつけ方を紹介します。
散歩中に、犬がロープを引っ張ってくる場合のしつけ
これは一番よく見られる主従関係の逆転の例です。この時多くの飼い主さんがやってしまうのは、力比べをするように引っ張り合ってしまうことですが、これは一番やってはいけないことです。
なぜかというと、それによって犬の権力意識がますます強くなるからです。「力が強い方が上なのだ」ということを学ぶので、散歩の時に引っ張り合いをするだけではなく、それ以外の場所でも「力」によって自分の存在を誇示しようとするようになります。
散歩の引っ張り合いであれば大型犬でもない限り人間が勝つでしょうが、犬には「噛み付く」という技があることを忘れてはなりません。
犬がこの技を出してきたら、力では人間の方が弱いということを忘れないようにしましょう。
なので、「力」によってロープの引っ張り合いをしてはいけないのです。
では、何によってこうした散歩中の犬を抑えればいいのかというと「リーダーウォーク」です。
■リーダーウォークとは?
リーダーウォークというのは、「犬が一定の距離を保って歩くようにするしつけ」のことです。
具体的にどうやるかというと、主に2つのことをします。
・一定の距離から少しでも動いたら(進んでも遅れても)リードを引っ張る
・一定時間、そうしてリードを引っ張ることがなかったら(距離を開けて歩くことができたら、)褒めてあげる。(ご褒美もあげる)
というものです。
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最初のうちは「一定の距離を開けていたから褒めてもらえた」ということに犬は気づきませんが、何度も繰り返しているうちに感覚的にわかってきます。
やがて、それを自然にやるようになります。
このリーダーウォークが、「引っ張り合い」とどう違うのかというと、「快楽によってしつける」ということにあります。
リーダーウォークでは、犬と人間のどちらに力があるかは関係なく、「一定距離を開けて歩くと、ご褒美がもらえる」というオプションがあります。
犬は自分の方が力が上だと思っていても、そのご褒美のために、自らすすんで距離を開けて歩くわけです。
このようにして「楽しさ」や「気持ちよさ」によってしつけることを「ファントレーニング」といいますが、リーダーウォークもその一種だと言えるでしょう。
ご飯にがっつく場合のしつけ
ご飯にがっつくというのも、非常によく見られる主従逆転の例です。
飼い主がご飯を持ってくるのがわかったら飛びついてきたり、お皿にドッグフードを入れている最中に、横から口を突っ込んできて、すぐに食べようとしたりします。
これらの行為は可愛いと言えば可愛いのですが、主従逆転の始まりなので、放置しておくと、後々噛みつきなどの問題行動に発展する危険もあります。
なので、犬のためにもしっかりとしつける必要があります。
■食べる前と、食べている途中に「待て」をする
具体的にどうしつけるかというと、見出し通り「待て」をすることです。
食べる前にする飼い主さんは多いと思いますが、それだけではなく「食べている途中」にもするようにします。
途中で食べるのをやめさせるのは少し可哀想と思うかも知れませんが、それでもこれは効果てきめんです。
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上に書いたように、ここで主従関係をはっきりと教えておくのが将来的に犬にとってもいいことになりますから、犬を可哀想とは思わず、しっかりとしつけるようにしましょう。
食べている途中の「待て」は、上に書いたリーダーウォークなどと比べるととても難易度が低いです。
犬が無視する場合も、大抵はお尻を抑えてお座りさせれば、すぐに飼い主が何を要求しているかわかるので、おすわりをしたまま「待て」の態勢に入ってくれます。
お座りや「待て」ができない犬ならともかく、できている犬であれば食べている途中であろうと問題なくできるでしょう。
指事をする時の声は、とにかく短く力強く
その他全ての主従関係の問題行動で「指事」(コマンド)が必要<になります。
このコマンドで注意すべきことは「短く、力強く」言うということです。
「こんなことしたらいけないでしょ!」などの長文は、犬には理解できません。例え力強く言っていたとしても、こうした長文の場合は効果は半減してしまいます。
犬が相手を威嚇する時「ワン!」と短く一言吠えるように「ダメ!」と飼い主の側も短く吠えるくらいのつもりでコマンドを出しましょう。
犬同士が吠えて会話しているのだから、犬と会話する時(叱る時)には、人間も吠えることが大事なのです。
今後コマンドを出す時、ぜひ意識していただけたらと思います。
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