犬に留守番を教えるトレーニング
飼い主の外出中に寂しがって問題行動を起こしてしまう犬は沢山います。
この状態は「分離不安」と言います。具体的には、大声で吠え続ける、家の中の物を壊す、などのことが挙げられます。
このような分離不安は出来るだけ早期にしつけて解決する必要があります。ここではその方法の一部を紹介します。
外出前後に犬にかまわない
犬を飼っている人で、かわいがっている人の9割がやってしまうのが、出かける前に「じゃあ、出かけてくるからね~、いい子にしててね~」と声をかけるものです。
実はこれはしつけのようで、全然しつけにならない逆効果の行動です。
というのは、こうして出かける前にいつもと違う声をかけることで、犬は「あ、今から一人なんだ」と思い、不安に感じてしまうからです。
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犬が気づかないようにさりげなく出かけることが重要です。
もちろん、ドアの音がすれば気づくでしょう。そのため、ドアを開けて出ていっては、1分でもどる、というようなことを最初は繰り返します。
それを3分、5分と伸ばしていけば、犬はドアの音を聞いても何も思わなくなります。
また、外出時にいつもすること(例えばメイクなど)をして、あえて外出をしないというフェイントも何度かかけます。
そうすることで、これらの行動を見ても、犬は出かけるとは思わなくなります。
こうしたしつけを繰り返せば、犬に気づかれないようさり気なく出かけることも可能になります。
また、上のドアの音のしつけをしていれば、犬も「やがて帰ってくる」というのがわかっているので、それほど不安を感じなくなります。
犬が分離不安を感じるのは「ずっといなくなってしまう」と錯覚しているからであり「いつか戻ってくる」とわかっていれば、寂しがりはしないのです。
日頃からハウスで過ごすことに慣れさせる
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犬専用のハウスの中で過ごしていると、飼い主がその場にいる時であっても飼い主の顔は見えず、お互い別々の場所にいるようなものです。
こうしたハウスの中で過ごすことに日頃から慣れている犬であれば、飼い主が外出しても平気でしょう。
なので、留守番の疑似体験として、ハウスで過ごす時間を日頃から多くすることが重要です。
そのためには、ハウスの中にお気に入りのおやつをセットする、エサをセットする、おもちゃを入れておく、ということが効果的です。これらのもの目当てにハウスで遊んでいるうちに、いつしかハウスを好きになり、飼い主と別のスペースにいることにもなれて、外出も平気になります。
「待て」の訓練をする
犬のしつけの基本動作である「待て」ですが、これは留守番を教えるにも効果的です。普通の「待て」は至近距離で行う短時間のものですが、これを離れた距離で行い、長時間待たせるのです。
つまり、一回「待て」と言って待たせたら、飼い主がその場を離れて見えない場所に行き、長時間そのまま放置しておきます。最初のうちは、犬もしばらくすると動いてしまうでしょうが、そうした時はすぐ「待て!」ともう一度繰り返します。
実は、これによって犬は凹みません。というのは、普段と違って犬がここで動く理由は「飼い主がいなくなってしまったのでは?」と不安に感じているからなのです。
なので、例え叱る声であっても声が聞こえたら「そこにいる」「ちゃんと見ていてくれている」というのがわかるので、犬は安心するのです。
そして長時間しっかり待っていた時には、いつもより大きなご褒美をあげます。これによって、犬は「寂しいけど、待っていたら褒めてもらえる」ということを学習します。
この学習さえできれば、それが長時間の外出になっても、「より大きなご褒美がもらえる」と犬も思えるので、寂しくはなくなるのです。
このように、犬が上手に留守番を出来るようにすることも、しつけによって可能になります。少し時間はかかりますが、ぜひ実践していただけたらと思います。
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