食事中の犬の噛み付きグセを治すしつけ
食べている時に近づくと噛む、触ると噛む、食器に手を近づけると噛む、というのは犬の噛み付きでよくあるケースの一つです。
ここではそのような「食べている時の噛み付き」をなくすためのしつけについて書きます。
人間の手が近づく=餌がもらえる、と思わせる
犬が冒頭のような噛み付きをするのは「人間の手が近づく=エサを奪われる」と思っているからです。
ということは、この逆の刷り込みを行えば、噛み付きはなくなるということです。
つまり「人間の手が近づく=エサがもらえる」という刷り込みです。
このためにまず必要なことは「食器に最初からエサが入っているわけではない」ということを教えることです。
これは人間にとっては当たり前のことですが、犬、特に仔犬にとっては当たり前ではありません。これを教えることで「人間の手でエサが運ばれるから、食器の中にエサが入るのだ」ということを知ります。
なので、これを教えるために、まずは空の食器を持って犬の周辺をうろついた後、それを床において、中身を確認させるということを繰り返します。
これを繰り返した後で、今度は空の食器に人間の手でエサを追加します。
これを何度か見せることで「人間の手がエサを入れるから、食器の中にエサがあるのだ」ということを犬は理解します。
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食べている途中でのトレーニングに移行
上のような大前提を理解させたら、今度は「食べている途中」でのトレーニングに移行していきます。
まずは食べている最中に、少し離れた場所からエサを食器に投げ入れましょう(犬が食べている以上、うまく入れるのは難しいかも知れません。
なので、完璧に入れなくてもいいので、犬が気づくように、近くに投げましょう)。
これを何度か繰り返しているうちに「食べている途中で何か刺激が外部から来たら、それはエサの追加である」ということを犬が学習します。
これによって、食べている最中の刺激に対して、犬は鈍感(というより好意的)になります。
このトレーニングをしながら、徐々に犬との距離を縮めていき、最終的には遠くから投げるのではなく、直接エサ入れにエサを手で入れるようにします。
これによって、「食べている最中で人間の手が伸びてきたら、エサの追加である」ということを犬は学習します。
「外部からの刺激」だけでなく「人間の手」に対しても警戒心を解除してくれるわけです。
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食器を取り上げるトレーニングに移行
こうして「人間の手」に対する恐怖心がなくなったら、いよいよ最終段階である「食器を取り上げる」ということをします。
この時も一気にはやりません。まずは「食器をずらす」だけにします。
ゆっくりずらして、もう片方の手でエサを追加します。こうすることで「食器が動くとエサが追加される」ということを犬は学習します。
これを繰り返しながら、食器の移動をどんどん大きくしていきます。
この時も犬が噛み付かないように、あくまで少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
最終的にまったく平気になったら、食器を高い位置に上げて取り上げるところまで持っていきます。
そして、この時ももちろん好物を追加してあげます。これによって「食器を完全に取り上げられても、エサが追加される」ということを犬が学習します。
ここまで来たら、食器を取り上げてももう大丈夫です。
あとは、そうして持ち上げている間に足に抱きついたりしないよう、「おすわり」の姿勢で待つことを教えるなど、徐々に行儀よくするトレーニングをしていきましょう。
このようなトレーニングには非常に手間がかかりますし、時間もかかります。
しかし、犬との信頼関係を損なうことなく確実に噛み付きグセを治すためには、このくらいの時間をかけてしつけることが必要不可欠です。
なので、根気強く取り組みましょう。
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